タヒチの「スローツーリズム」再考

南太平洋の楽園として知られるタヒチでも近年よく聞く言葉がスローツーリズムです。
実は、タヒチは「スローツーリズムを公式に掲げている数少ないリゾート」のひとつで、
単なる観光トレンドではなく、政策として進められています。

観光客を増やさないという選択
タヒチの観光政策では、観光客数の目安を年間約28万人としています。
タヒチの地元人口が28万強であることから、受け入れるのは住民1名に対して、観光客1名を上限の目安にする、という方針です。
インバウンドの需要が増加している日本でも言われるようになりましたが、オーバーツーリズムを避けるためのものです。
ただ、世界のリゾートと比べると、これはかなり少ない数字ですね。
例えば
| リゾート | 観光客数 |
| モルディブ | 約200万人 |
| ハワイ | 約900万人 |
| タヒチ | 約28万人 |

タヒチのスローツーリズムは、4つの大きな柱で成り立っています。
①地域住民が観光開発の中心となり、公平な経済的利益を享受できるようにする。各島の状況を考慮したうえで、観光コンテンツの多様化を図り、地域住民へ均等に経済的恩恵を配分していき、生活の質の向上を進めていく。
②次に、合意形成を図ったうえで、個々の取り組みを組織的にまとめていく。住民、各島、民間事業者それぞれのアプローチを統一し、観光開発にあたっては、フランス領ポリネシア開発計画(SAGE)のスキームを取り入れていく。
③また、持続可能な観光、環境の保護と再生にも取り組む。観光サービスは、フランス領ポリネシアが定めた環境規則に則り、提供される。このなかで、観光が気候変動や新エネルギーへの移行などで主導的な役割を果たしていき、アクティビティや観光客の分散化、文化や環境の資源に対する共有認識を進めていく。
④最後に、地域経済の活性化のために異業種との協力を強化していく。特に、インクルージョン・ツーリズムに注力。また、サプライチェーンの改善で食料自給率やエネルギー供給の向上を進めていく。

このほか、海洋保護のためにクルーズ船の規制も実施。2022年1月現在、観光地ボラボラ島に入港できるのは最大1200人乗りのクルーズ船に制限されている。技術的な問題が生じた場合のみ、3500人以上のクルーズ船の入港が認められる。
さて、我らが日本はといいますと、2025年の訪日外国人の人数が初めて4,000万人を超え、目標の年間6,000名も具体的に見えてきたというところでしょうか。円安も続いていますし、お隣の国からの訪日人数が増えなくても、順調に目標を達成しそうな勢いです。
(人口が1億人以上いるわけですが、もし年間1億人の観光客がくると考えただけで、もう日本の国内旅行ができなくなってしまいますね)

スローライフ♪ スローツーリズム♬






